Le Rouge et Le Noir

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闇亡き世界の始まりと、終焉の物語。(仮
太陽が沈まぬ夜。
世界は静けさを保ったまま、蠢き始める。


人々は目覚めを知らず。
ただ、そこに横たわる骸のように、深い眠りに就いている。


そんな彼らを起こさぬように、細心の注意を払いながら、彷徨い歩く者が一人。
さながら亡者のように蠢くそれは、人の形を為してはいない。

よくよく目を凝らしてみると、それはそれらで、それらは同じく渇きを癒そうとする者どもの集まり。
蟲が集り腐臭を放つその肉塊の集合体は、それぞれに口を持っている。

尤も、口と言っても、形を保っているものはごく僅かであるが。

恐らくは、人であった者のなれの果て。その亡骸が、蕩けて混ざり合い、日が経って固まった。
そう言われても不思議ではない程、実に異形であった。

足すら無いそれらは、身体全体を引きずるようにしながら、棺に眠る「人」を目当てに前へと進む。
実に、不愉快な代物である。どう見ても失敗作だ。


だが残念な事に、これがこの世界における自然であり、人が捕食されるのが自然の摂理…




此処は、「灰色の太陽」が沈まぬ世。
生きるでもなく生き、死ぬとも無しに死ぬ人々の精気を、啜る者達の世界。

時折それでは飽き足らないのか、
骨を砕く音と、血肉が地面に巻き散らかされるような音が響くが。


それで人々が起きるという事もない。
元より、自我すらあるのか疑わしい彼らは、人というより人形と形容する方が近い。


遥か彼方まで広がる棺の平野、そのすべてに一人ずつ、人らしき者が存在している。
それはすべて、啜る者の餌。そして、気付けばまた一人、人が棺の中に居る。

そうして廻っているのだ、この世界は。



漆黒を身にまとい、玉座に深々と構えし者は、遠く見える筈もない棺を見つめながら、不敵な笑みを浮かべる。ほっそりとした身体に似合わない鋭い眼光を称えた瞳は、血の色をさらに鮮やかにしたような深紅色で、唇は少し紫がかっている。彼女の漏らした笑みは、実に不気味であった。


「歯車は、廻り始めた…。ようやく、すべてが始まり、すべてが終わるのね」





ゆっくりと立ち上がり、長い蒼髪をかき上げ素顔を晒したその女の顔に、生気と呼べる色は存在しなかった。
ただ、深紅の瞳だけが、遥か果てまでも見据えるように妖しく光っていた。






続きはこちら。
http://yukiyaminagi.blog75.fc2.com/blog-entry-74.html
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